建設業経理士2級:よくある仕訳問題その2
さて。
それでは今日も元気に仕訳して参りましょう。
<問題1:工事代金の前受金がある場合>
請負代金¥3,000,000の工事が完成し、引き渡した。
工事受注時に内金¥500,000を受け取っており、残額は未収である。
<解答>
未成工事受入金 500,000 / 完成工事高 3,000,000
完成工事未収入金 2,500,000 /
<解説>
工事受注時に、
現金 500,000 / 未成工事受入金 500,000
という仕訳がされています。
工事が完成したので、『未成工事受入金』を減らし、
工事代金の未収分があるので、『完成工事未収入金』を増やすという仕訳をします。
<問題2:付随費用の処理>
機械装置¥1,000,000を購入し、代金は小切手を振り出して支払った。
なお、その引取運賃¥5,000については、現金で支払った。
<解答>
機械装置 1,005,000 / 当座預金 1,000,000
/ 現金 5,000
<解説>
引取運賃などの仕入れに伴う費用を「付随費用」と言い、これは仕入原価に含めます。
<問題3:値引返品割戻・割引>
資材Aを単価¥500で2,000個仕入れた。
その際、¥3,000の割戻を受け、直ちに約束手形で支払った。
<解答>
材料 997,000 / 支払手形 997,000
<解説>
値引、返品、割戻は、逆仕訳で処理します。
割引は、『仕入割引』勘定で処理します。
今回は割戻なので、逆仕訳です。
仕入時の仕訳
材料 1,000,000 / 支払手形 1,000,000 -①
割戻を処理する仕訳
支払手形 3,000 / 材料 3,000 -②
①と②を合わせたものが、本問の解答となります。
<問題4:火災による損失の処理>
現場事務所(取得原価¥2,000,000、減価償却累計額¥800,000)を火災により焼失した。
これについて火災保険料¥1,000,000を現金で受け取った。
<解答>
減価償却累計額 800,000 / 建物 2,000,000
現金 1,000,000 /
火災損失 200,000 /
<解説>
まず、火災により建物を失ったので、
減価償却累計額 800,000 / 建物 2,000,000
保険金を現金で受け取ったので、
減価償却累計額 800,000 / 建物 2,000,000
現金 1,000,000 /
不足分は『火災損失』勘定で処理します。
<問題5:貸し倒れの処理>
前期に引き渡して未収となっていた工事代金¥500,000が、当期に回収不能となった。
前期決算において貸倒引当金¥200,000を計上している。
<解答>
貸倒引当金 200,000 / 完成工事未収入金 500,000
貸倒損失 300,000 /
<解説>
回収不能となった分を、貸倒引当金で充当します。
不足分は『貸倒損失』勘定で処理します。
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