建設業経理士2級：よくある仕訳問題その3

本日の仕訳問題は以下の5問です。

＜問題1：借入金の処理＞

約束手形￥100,000を振り出して、銀行から￥100,000を借り入れた。
利息の￥1,200を差し引かれた後、差額が当座預金に振り込まれた。

＜解答＞

　　　当座預金　98,800　／　手形借入金　100,000
　　　支払利息　 1,200　／

＜解説＞

手形を振り出して借り入れた　→　『手形借入金』（負債）の増加
当座預金に振り込まれた　　　→　『当座預金』（資産）の増加
利息を差し引かれた　　　　　→　『支払利息』（費用）の発生

＜問題2：株式評価損益＞

前期にA社の株式1,000株を長期保有目的で1株あたり￥200、購入手数料￥10,000で購入していた。
この株式が、当期決算において1株あたり￥180に下落していることが判明した。

＜解答＞

　　　投資有価証券評価損　30,000　／　投資有価証券　30,000

＜解説＞

購入時の簿価　＝　株式数　×　単価　＋　購入手数料
　　　　　　　＝　1,000　×　200　＋　10,000
　　　　　　　＝　210,000

当期決算時の評価額　＝　株式数　×　単価
　　　　　　　　　　＝　1,000　×　180
　　　　　　　　　　＝　180,000

差額　＝　210,000　－　180,000　＝　30,000

＜問題3：利益処分＞

株主総会において、次の利益処分が決定された。

• 株主配当金　￥2,000,000
• 利益準備金　￥200,000
• 別途積立金　￥1,800,000

＜解答＞

　　　繰越利益剰余金　4,000,000　／　未払配当金　2,000,000
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　利益準備金　　200,000
　　　　　　　　　　　　　　　　　／　別途積立金　1,800,000

＜解説＞

そのまんまなんだけど、「株主配当金」という勘定科目はないことに注意。

＜問題4：資本的支出・収益的支出＞

小切手￥300,000を振り出して、機械装置の補修を行った。
このうち、￥200,000は新たなパーツを取り付けるための改良費である。
なお、修繕引当金として￥10,000が計上されている。

＜解答＞

　　　機械装置　200,000　／　当座預金　300,000
　　　修繕引当金　10,000　／
　　　修繕費　　　90,000　／

＜解説＞

小切手￥300,000を振り出した　→　『当座預金』（資産）￥300,000減少
￥200,000は改良費である　→　『機械装置』（資産）￥200,000増加
￥10,000の修繕引当金がある　→　『修繕引当金』（負債）￥10,000減少

残りの￥90,000は『修繕費』（費用）で処理します。

全体の支出￥300,000のうち、￥200,000が資本的支出、￥100,000が収益的支出となります。

＜問題5：工事進行基準＞

工期3年の工事を前期に受注し、当初より工事進行基準を適用している。
次のデータに基づき、当期の完成工事高及び完成工事原価計上の仕訳を示しなさい。

• 請負金額　　　￥1,000,000
• 前受金　　　　￥0
• 工事原価総額　￥800,000
• 前期工事原価　￥300,000
• 当期工事原価　￥400,000

＜解答＞

　　　完成工事未収入金　500,000　／　完成工事高　　　500,000
　　　完成工事原価　　　400,000　／　未成工事支出金　400,000

＜解説＞

前期工事進捗率　＝　前期工事原価　÷　工事原価総額
　　　　　　　　＝　300,000　÷　800,000
　　　　　　　　＝　0.375

前期完成工事高　＝　請負金額　×　前期工事進捗率
　　　　　　　　＝　1,000,000　×　0.375
　　　　　　　　＝　375,000

当期工事進捗率　＝　（前期工事原価＋当期工事原価）÷工事原価総額
　　　　　　　　＝　（300,000＋400,000）÷　800,000
　　　　　　　　＝　0.875

当期完成工事高　＝　請負金額　×　当期工事進捗率　－　前期完成工事高
　　　　　　　　＝　1,000,000　×　0.875　－　375,000
　　　　　　　　＝　500,000

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