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建設業経理士2級:よくある仕訳問題その6

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今日も今日とて仕訳仕訳。

今日の5題はこちら。

 

<問題1:資本的支出・収益的支出>

機械装置の補修を行い、代金¥500,000を現金で支払った。
このうち、¥400,000は装置自体の改良費であり、修繕引当金¥70,000が計上されている。

 

<解答>

   機械装置  400,000 / 現金 500,000
   修繕引当金  70,000 /
   修繕維持費  30,000 /

 

<解説>

支払った代金のうち、¥400,000は「装置自体の改良費」なので、「資本的支出」となります。

従って、『機械装置』の帳簿価額が¥400,000増加します。

 

残りの¥100,000について、まず修繕引当金を取り崩し、残額を『修繕維持費』で処理します。

 

<問題2:銀行勘定調整表>

決算につき当座預金の残高証明書を入手したところ、¥2,000の差異が判明した。
この原因を調査したところ、当社振り出しの小切手が、まだ銀行に呈示されていないことが分かった。

 

<解答>

   仕訳なし

 

<解説>

当座預金の帳簿残高と銀行の口座残高との差異を埋める場合、当社と銀行、どちらで修正すべき問題か注意しましょう。

 

考え方のポイントは、「ほっといても修正されるかどうか?」です。

 

本問の場合、取引先が銀行に小切手を呈示すれば解決することなので、当社は何もする必要がありません。

 

従って、解答は「仕訳なし」です。

 

<問題3:貸し倒れ>

当期中に施工した工事代金¥300,000が貸し倒れた。
前期決算において、貸倒引当金¥200,000が計上されている。

 

<解答>

   貸倒損失 300,000 / 完成工事未収入金 300,000

 

<解説>

『貸倒引当金』を取り崩すことができるのは、それが計上された時点で発生している債権に対してのみです。

 

前期末に計上された『貸倒引当金』は、前期末の時点で発生してる債権に対してのみ有効です。

 

従って、当期に発生した債権に対しては使えないので、全額を『貸倒損失』で処理します。

 

<問題4:株主資本の係数変動>

株主総会が行われ、資本準備金¥500,000を資本金に組み入れることが決議された。

 

<解答>

   資本準備金 500,000 / 資本金 500,000

 

<解説>

仕訳としては、単に振り替えるだけです。

 

一般的に、資本金が増えれば増えるほど、会社としての信用が増すというメリットがありますが、税負担が大きくなるというデメリットもあります。

 

<問題5:工事進行基準

前期に工期3年の工事を請け負った。受注金額は¥3,000,000で、当初より工事進行基準を適用している。
工事原価総額の見積額について、前期は¥2,000,000であったが、当期より¥2,100,000に変更された。
前期の工事原価は¥700,000、当期の工事原価は¥1,050,000である。
当期の完成工事高および完成工事原価を計上する仕訳を示しなさい。

 

<解答>

   完成工事未収入金 1,450,000 / 完成工事高   1,450,000
   完成工事原価   1,050,000 / 未成工事支出金 1,050,000

 

<解説>

前期工事進捗率 = 前期工事原価 ÷ 前期工事原価総見積額
        = 700,000 ÷ 2,000,000
        = 0.35

 

前期完成工事高 = 受注金額 × 前期工事進捗率
        = 3,000,000 × 0.35
        = 1,050,000

 

当期工事進捗率 = (前期工事原価+当期工事原価)÷当期工事原価総見積額
        = (700,000+1,050,000)÷2,100,000
        = 0.8333...

 

当期完成工事高 = 受注金額 × 当期工事進捗率 - 前期完成工事高
        = 3,000,000 × 0.8333... - 1,050,000
        = 1,450,000

 

 

 

 


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