建設業経理士2級:よくある仕訳問題その11
つい先日、めちゃくちゃ寒くて灯油ファンヒーターを出したのですが。
今日はなんだか暖かい。
寒暖差にめげないように、今日も仕訳の勉強です。
<問題1:値引返品割戻・割引>
A工事で使用した資材の購入代金¥300,000が未払いであったが、決済日より早く小切手を振り出して支払い、¥2,000の割引を受けた。
<解答>
工事未払金 300,000 / 当座預金 298,000
/ 仕入割引 2,000
<解説>
値引、返品、割戻は、逆仕訳で処理します。
割引は、『仕入割引』勘定で処理します。
本問の未払金は、特定の工事に係るものなので『工事未払金』勘定となります。
<問題2:工事進行基準>
請負金額¥5,000,000で工期が3年のA工事を、前期に受注し工事進行基準を適用している。
この工事の工事原価総額の見積額は¥4,000,000であり、前期発生工事原価は¥500,000、当期発生工事原価は¥3,000,000である。
また、前期に工事代金として¥2,000,000を受け取っている。
当期の完成工事高に関する仕訳を示しなさい。
<解答>
未成工事受入金 1,375,000 / 完成工事高 3,750,000
完成工事未収入金 2,375,000 /
<解説>
前期工事進捗率 = 500,000 ÷ 4,000,000
= 0.125
前期完成工事高 = 5,000,000 × 0.125
= 625,000
未成工事受入金残高 = 2,000,000 - 625,000
= 1,375,000
当期工事進捗率 = (500,000+3,000,000)÷4,000,000
= 0.875
当期完成工事高 = 5,000,000 × 0.875 - 625,000
= 3,750,000
<問題3:すくい出し方式>
仮設材料の消費額については、すくい出し方式によって把握している。
A工事が完了し、倉庫に戻された仮設材料の評価額は¥200,000であった。
<解答>
材料 200,000 / 未成工事支出金 200,000
<解説>
倉庫内に仮設材料が¥500,000分あったとします。
「すくい出し方式による」ということは、この¥500,000のうち、A工事でどれだけ消費されるのか前もって計算することができないので、いったん全部が消費されたものとして処理しておいて、後から残った分を倉庫に戻すということです。
いったん全部が消費されたとした時の仕訳は、
未成工事支出金 500,000 / 材料 500,000
このうち¥200,000が残ったということなので、これの逆仕訳をします。
なお、『材料』勘定は、『材料貯蔵品』などとする場合もあります。
本試験では、与えられた勘定科目群に注意してください。
<問題4:預り金>
現場作業員の賃金について、当月は¥1,000,000であった。
源泉所得税¥60,000と、社会保険料の自己負担分¥50,000を控除し、現金で支払った。
<解答>
未成工事支出金 1,000,000 / 所得税預り金 60,000
/ 社会保険料預り金 50,000
/ 現金 890,000
<解説>
勘定科目について、
借方は、『労務費』『賃金』などとする場合もあります。
預り金は、単に『預り金』勘定とする場合もあります。
本試験では、与えられた勘定科目群に注意してください。
<問題5:貸倒引当金>
前期に発生していた完成工事未収入金¥500,000が、当期に回収不能となった。
貸倒引当金の残高は¥400,000である。
<解答>
貸倒引当金 400,000 / 完成工事未収入金 500,000
貸倒損失 100,000 /
<解説>
貸し倒れた分、まずは引当金を取り崩します。
不足分は『貸倒損失』勘定で処理します。
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