建設業経理士2級:よくある仕訳問題その12
昨日、「今日はなんだか暖かい。」と書いたのですが。
今日は一転、また寒くなりました。
頭寒足熱という言葉があります。
足元は温かくして、でも頭がオーバーヒートしないようにしましょう。
今日の問題はこちら。
<問題1:前渡金>
A工事について、外注していた作業が完了し、契約代金¥500,000を支払った。
なお、契約時に¥200,000を前払いしており、残額を小切手を振り出して支払った。
<解答>
未成工事支出金 500,000 / 前渡金 200,000
/ 当座預金 300,000
<解説>
工事全体が完成したわけではないので、『未成工事支出金』勘定で処理します。
契約時の仕訳は、
前渡金 200,000 / 現金など 200,000
となります。
<問題2:資本的支出・収益的支出>
長年使用してきた機械装置の修繕を行い、その代金¥500,000を小切手を振り出して支払った。
このうち¥300,000は機械に追加装置を組み込むための費用である。
また、予め修繕引当金¥300,000計上されている。
<解答>
機械装置 300,000 / 当座預金 500,000
修繕引当金 200,000 /
<解説>
「追加装置を組み込むための費用¥300,000」は、機械装置の価値を高めるための支出なので、資本的支出です。
従って、『機械装置』勘定を¥300,000増加させます。
残額は、修繕引当金を取り崩します。
<問題3:固定資産の除却>
5年前の期首に購入した機械装置を、当期首に除却し、このための費用¥50,000を現金で支払った。
この機械装置の取得原価は¥1,000,000、耐用年数10年、残存価額ゼロ、定額法により減価償却しており、間接法で記帳されている。
なお、除却後の評価額は¥30,000であり、『貯蔵品』勘定で処理する。
<解答>
減価償却累計額 500,000 / 機械装置 1,000,000
貯蔵品 30,000 / 現金 50,000
固定資産除却損 520,000 /
<解説>
まず、除却時の減価償却累計額を計算します。
1年あたりの償却額 = (1,000,000ー0)÷10
= 100,000
5年分の償却額 = 100,000 × 5
= 500,000
除却したので機械装置と、減価償却累計額が消滅します。
減価償却累計額 500,000 / 機械装置 1,000,000
新たに『貯蔵品』¥30,000が出来ました。
減価償却累計額 500,000 / 機械装置 1,000,000
貯蔵品 30,000 /
費用¥50,000を現金で支払っています。
減価償却累計額 500,000 / 機械装置 1,000,000
貯蔵品 30,000 / 現金 50,000
差額が除却により発生した損になります。
減価償却累計額 500,000 / 機械装置 1,000,000
貯蔵品 30,000 / 現金 50,000
固定資産除却損 520,000 /
<問題4:手形借入金>
取引銀行より¥500,000を借り入れるため、約束手形を振り出した。
これにより、利息¥5,000を差し引かれた残額が当座預金に振り込まれた。
<解答>
当座預金 495,000 / 手形借入金 500,000
支払利息 5,000 /
<解説>
単純に借りたら、『借入金』勘定で処理します。
借りるために手形を振り出したら、『手形借入金』勘定で処理します。
<問題5:値引返品割戻・割引>
未収となっていた完成工事代金¥1,000,000について、2%の割引を行い、当座預金に入金を受けた。
<解答>
当座預金 980,000 / 完成工事未収入金 1,000,000
売上割引 20,000 /
<解説>
値引、返品、割戻は、逆仕訳。
割引は、『仕入割引』勘定で処理します。
本問は、売り上げの割引なので、『売上割引』勘定ですね。
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