あいぱす!

あいぱす!

学習支援ソフト「あいぱす!」の紹介と、その他もろもろのブログです。

建設業経理士2級:よくある仕訳問題その15

f:id:ipassdegoukaku:20191112100920j:plain


今日の問題は以下の5問。

 

<問題1:貸倒引当金

前期末に、備品¥200,000を売却し、その代金は当期に受け取ることになっていた。
その際、代金の40%にあたる貸倒引当金を設定していたところ、当期に全額回収不能となった。

 

<解答>

   貸倒引当金  80,000 / 未収入金 200,000
   貸倒損失  120,000 /

 

<解説>

備品売却代金の未収分は、『未収入金』勘定で処理します。
これがもし、工事代金の未収分なら、『完成工事未収入金』勘定となります。

 

貸倒引当金の計上額は、
¥200,000 × 40% = ¥80,000 です。

 

<問題2:工事進行基準

前期に請負金額¥5,000,000、工期3年の工事を受注し、工事進行基準を適用している。
この工事の工事原価総額の見積額は¥4,000,000であり、前期発生工事原価は¥1,000,000、当期発生工事原価は¥2,500,000である。
当期において、請負金額を¥500,000増額しており、着手前に内金¥1,000,000を受け取っている。
当期の完成工事高及び完成工事原価に関する仕訳を示しなさい。

 

<解答>

   完成工事未収入金 3,562,500 / 完成工事高   3,562,500
   完成工事原価   2,500,000 / 未成工事支出金 2,500,000

 

<解説>

前期工事進捗率 = 1,000,000 ÷ 4,000,000
        = 0.25

 

前期完成工事高 = 5,000,000 × 0.25
        = 1,250,000

 

前期の仕訳は、

   未成工事受入金  1,000,000 / 完成工事高 1,250,000
   完成工事未収入金  250,000 /
   完成工事原価   1,000,000 / 未成工事支出金 1,000,000

 

これにより、当期の未成工事受入金残高は¥0です。

 

当期工事進捗率 = (1,000,000+2,500,000)÷ 4,000,000
        = 0.875

 

当期完成工事高 = (5,000,000+500,000)× 0.875 - 1,250,000
        = 3,562,500

 

<問題3:消費税>

決算時において、当期の消費税仮払分は¥300,000であり、仮受分は¥250,000であった。

 

<解答>

   仮受消費税 250,000 / 仮払消費税 300,000
   未収消費税  50,000 /

 

<解説>

期中の取引で、
消費税を支払った → 『仮払消費税』(資産の勘定科目)で処理。
消費税を受け取った → 『仮受消費税』(負債の勘定科目)で処理。

 

決算時にはこれを相殺し、
『仮払消費税』の方が多い → 差額を『未収消費税』(資産)で処理。
『仮受消費税』の方が多い → 差額を『未払消費税』(負債)で処理。

 

払った方が多いなら、差額を返してもらい、
貰った方が多いなら、差額を支払うってことですね。

 

<問題4:社債

当期首に償還期限5年の社債を発行した。
この発行に要する費用¥200,000については小切手を振り出して支払い、繰延処理することとした。
社債発行時及び当期の決算における社債発行費の仕訳を示しなさい。

 

<解答>

   社債発行費   200,000 / 当座預金  200,000
   社債発行費償却  40,000 / 社債発行費  40,000

 

<解説>

まず、社債発行時の仕訳は、

   社債発行費   200,000 / 当座預金  200,000

 

この社債発行費について、繰延処理するということは、社債の償還期限にわたって定額で償却していくということなので、

1年分の償却額 = ¥200,000 ÷ 5年 = ¥40,000

 

従って、決算時の仕訳は、

   社債発行費償却  40,000 / 社債発行費  40,000

 

となります。

 

<問題5:資本的支出・収益的支出>

自社倉庫の増改築工事を行った。
その代金¥1,000,000は約束手形を振り出して支払った。
このうち、¥700,000は新たな収納スペースを設けるための支出であり、残額は壁の破損部分の修復費用である。

 

<解答>

   建物    700,000 / 営業外支払手形 1,000,000
   修繕維持費 300,000 /

 

<解説>

まず、主たる営業活動外の支出なので、『営業外支払手形』勘定で処理します。

支出のうち¥700,000は、従来の建物に新たな価値を付け加えるものなので「資本的支出」。
残額は、価値の減少を元に戻すためのものなので「収益的支出」となります。

 

 

 


最後までご覧いただき、ありがとうございました。

 

 

お時間ございましたら、是非ホームページもご覧ください。