建設業経理士2級:本試験第2問対策その1
今日からしばらく、本試験第2問対策と題して力試し問題をのせていこうと思います。
建設業経理士2級の本試験第2問というと、毎回、文章の穴埋め問題が4つ出題されます。
その範囲は広く、試験範囲全般の理解が求められるところです。
では、今日の4題はこちら。
<問題1:有価証券の売却損益>
当期に、A社株式500株を1株あたり¥200で買い入れ、手数料¥500とともに小切手を振り出して支払った。
その後、この株式100株を1株あたり¥250で売却し、手数料¥200を差し引いた残額を当座預金に預け入れた。
この場合、有価証券売却益は、¥( ? )となる。
<解答>
¥4,700
<解説>
購入時の簿価 = 500株 × @¥200 + ¥500
= ¥100,500
購入時の単価 = ¥100,500 ÷ 500株
= @¥201
売却された額 = @¥201 × 100株
= ¥20,100
実際の売却額 = 100株 × @¥250 - 200
= ¥24,800
¥20,100のものを、¥248,000で売却したので、差額¥4,700の利益です。
<問題2:内部利益>
A社は、本店から支店へと材料を送付する際、原価に10%の利益を加算した額で送付している。
当期決算において、支店の材料残高は¥200,000(そのうち本店仕入分は¥50,000)であり、未達の材料が¥70,000(そのうち本店仕入分は¥5,000)であった。
この時、控除される内部利益は¥( ? )である。
<解答>
¥5,000
<解説>
本店仕入分だけを考えます。
本店仕入分の合計 = ¥50,000 + ¥5,000
= ¥55,000
この¥55,000は、材料原価に内部利益を加えた額ですので、
¥55,000 = 原価 + 内部利益
= 原価 + 0.1原価
= 1.1原価
原価 = ¥50,000
控除される内部利益 = 原価の10%
= ¥50,000 × 10%
= ¥5,000
となります。
<問題3:加重平均法>
所有する機械装置Aと機械装置Bについて、総合償却を行う。
- 機械装置A : 取得原価¥500,000 残存価額¥50,000 耐用年数10年
- 機械装置B : 取得原価¥400,000 残存価額¥40,000 耐用年数4年
定額法で償却する場合、加重平均法による平均耐用年数は( ? )年である。
<解答>
6年
<解説>
機械装置Aの償却額 = 取得原価 - 残存価額
= 500,000 - 50,000
= 450,000
機械装置Bの償却額 = 400,000 - 40,000
= 360,000
償却単位の償却額 = 機械Aの償却額 + 機械Bの償却額
= 450,000 + 360,000
= 810,000
機械装置Aの年間償却額 = (取得原価 - 残存価額)÷耐用年数
= (500,000-50,000)÷10
= 45,000
機械装置Bの年間償却額 = (400,000-40,000)÷4
= 90,000
償却単位の年間償却額 = 45,000 + 90,000
= 135,000
平均耐用年数 = 償却単位の償却額 ÷ 償却単位の年間償却額
= 810,000 ÷ 135,000
= 6
<問題4:銀行勘定調整>
決算にあたり当座預金の帳簿残高と銀行残高との差異分析を行ったところ、以下の事柄が判明した。
- 現金¥50,000を預け入れたが、銀行側で未記入であった。
- 工事代金¥200,000の振り込みがあったが、当社に未通知であった。
- 小切手¥100,000を振り出したが、受取人が銀行に持ち込んでいなかった。
この時、帳簿残高と銀行残高の差額は、¥( ? )である。
<解答>
¥250,000
<解説>
帳簿残高 = 銀行残高
①は銀行側が¥50,000記入すれば解決するので、
帳簿残高 = 銀行残高+50,000
②は帳簿側が¥200,000記入すれば解決するので、
帳簿残高+200,000 = 銀行残高+50,000
③は銀行側が¥100,000差し引けば解決するので、
帳簿残高+200,000 = 銀行残高+50,000-100,000
整理すると、
帳簿残高+200,000 = 銀行残高-50,000
帳簿残高+250,000 = 銀行残高
従って差額は、¥250,000となります。
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