建設業経理士2級:本試験第2問対策その6
第27回建設業経理士試験、受験申込の締め切りは明日です。
受験される方でまだ申し込んでいない方は、今日中に申し込んでおきましょう。
今日の問題はこちらの4問。
<問題1:内部利益>
A社は、支店に材料を送る際、原価に5%の利益を加算した額で送付している。
支店の期末における材料費は¥500,000(そのうち本店仕入分は¥200,000)、材料は¥150,000(そのうち本店仕入分は¥83,500)であった。
このとき、控除される内部利益は¥( ? )である。
<解答>
¥13,500
<解説>
本店仕入分の金額 = ¥200,000 + ¥83,500
= ¥283,500
この¥283,500は、原価に5%の利益を加えた額なので、
原価 + 0.05原価 = ¥283,500
1.05原価 = ¥283,500
原価 = ¥270,000
控除される内部利益 = 原価 × 5%
= ¥270,000 × 5%
= ¥13,500
<問題2:社債の買入消却>
A社は、令和×3年4月1日に額面総額¥5,000,000(償還期限5年、利率年2%、利払日は9月30日と3月31日の年2回)の社債を額面¥100につき¥98で発行し、全額の払込みを受けて当座預金とした。
この社債を償却原価法(定額法)により処理していた場合、令和×5年4月1日に社債¥2,500,000を額面¥100につき¥99で買入消却したとすれば、計上される社債償還損は¥( ? )である。
<解答>
¥5,000
<解説>
落ち着いて問題を読みましょう。
このての問題は、口数になおして考えてみるとわかりやすいと思います。
¥2,500,000を買入消却した場合の問題ですから、
¥2,500,000 ÷ ¥100 = 25,000口
25,000口の社債についての問題であると、問題文を読み替えてみます。
すると、
- 1口あたり¥100の社債を、1口あたり¥98で25,000口発行した。
- 差額は償却原価法(定額法)で処理する。
- 2年後に1口あたり¥99で25,000口を買入消却した。
- いくら損したこになるか?
という問題であることが分かります。
①について、
発行価額 = 25,000口 × ¥98 = ¥2,450,000
②について、
毎年の償却額 = (本来の価額 - 発行価額)÷償還期限
= (25,000口×¥100 - ¥2,450,000)÷5年
= ¥10,000
③について、
買入消却時の価額 = 発行価額 + 2年分の償却額
= ¥2,450,000 + (¥10,000×2年)
= ¥2,470,000
実際の買入消却額 = 25,000口 × ¥99
= ¥2,475,000
④について、
¥2,470,000の社債25,000口を、¥2,475,000支払って買い入れたわけですから、差額の¥5,000が損となります。
<問題3:総合償却>
A社は、以下の2つの機械装置を償却単位として総合償却(定額法)を行っている。
加重平均法による平均耐用年数は、( ? )年である。
- 機械装置A : 取得原価¥3,000,000 残存価額ゼロ 耐用年数10年
- 機械装置B : 取得原価¥6,000,000 残存価額ゼロ 耐用年数5年
<解答>
6年
<解説>
機械装置Aの償却額 = 取得原価 - 残存価額
= 3,000,000 - 0
= 3,000,000
機械装置Bの償却額 = 6,000,000 - 0
= 6,000,000
償却単位の償却額合計 = 3,000,000 + 6,000,000
= 9,000,000
機械装置Aの年間償却額 = (取得原価ー残存価額)÷耐用年数
= (3,000,000-0)÷10
= 300,000
機械装置Bの年間償却額 = (6,000,000-0)÷5
= 1,200,000
償却単位の年間償却額合計 = 300,000 + 1,200,000
= 1,500,000
平均耐用年数 = 償却額合計 ÷ 年間償却額合計
= 9,000,000 ÷ 1,500,000
= 6
<問題4:本支店会計>
本店にあるA支店勘定は¥200,000の借方残高、B支店勘定は¥300,000の借方残高である。
A支店がB支店が負担すべき旅費交通費¥50,000を現金で立替払いした。
本店集中計算制度で処理すると、本店にあるA支店勘定残高は¥( ? )となる。
<解答>
¥150,000
<解説>
「A支店がB支店の旅費交通費¥50,000を現金で支払った。」
この取引についてそのまま仕訳すると、
A支店の仕訳
B支店 50,000 / 現金 50,000
B支店の仕訳
旅費交通費 50,000 / A支店 50,000
となります。
本問では、「本店集中計算制度で仕訳する」との指示があるので、これを本店経由の仕訳に直すと、
A支店の仕訳 : 本店 50,000 / 現金 50,000
B支店の仕訳 : 旅費交通費 50,000 / 本店 50,000
本店の仕訳は、これらを繋ぐ仕訳になるので、
B支店 50,000 / A支店 50,000
この仕訳により、本店のA支店勘定は、
借方残¥200,000 - 貸方残¥50,000 = ¥150,000の借方残となります。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
お時間ございましたら、是非ホームページもご覧ください。