建設業経理士2級:本試験第2問対策その7
さて、今日の問題はこちらの4問。
<問題1:銀行勘定調整表>
決算にあたり、当座預金勘定残高と銀行の当座預金口座残高の差異分析を行い、以下の事実が判明した。
- ¥50,000を入金したが、翌日入金として扱われた。
- 完成工事未収入金¥30,000の振り込みがあったが、当社に未通知であった。
- 銀行に取立依頼した小切手¥70,000が未取立であった。
- 通信費¥15,000が引き落されていたが、当社に未通知であった。
この場合、当座預金勘定残高は、銀行の当座預金口座残高より¥( ? )多い。
<解答>
¥105,000
<解説>
帳簿残高 = 銀行残高
①は銀行が入金処理をすれば解決するので、
帳簿残高 = 銀行残高+50,000
②は当社で記帳すれば解決するので、
帳簿残高+30,000 = 銀行残高+50,000
③は銀行が取り立てれば解決するので、
帳簿残高+30,000 = 銀行残高+50,000+70,000
④は当社で記帳すれば解決するので、
帳簿残高+30,000-15,000 = 銀行残高+50,000+70,000
整理すると、
帳簿残高+15,000 = 銀行残高+120,000
帳簿残高-105,000 = 銀行残高
帳簿残高を¥105,000減らすことで銀行残高と釣り合うので、帳簿残高は銀行残高より¥105,000多い。
となります。
<問題2:本支店会計>
本店にある支店勘定は当期首において¥60,000の借方残である。
期中に以下の取引をしたとすると、期末に本店の支店勘定は¥( ? )の借方残となる。
- 本店から支店に備品¥30,000を発送した。
- 支店から本店に¥20,000の送金があった。
- 支店が負担すべき旅費交通費¥15,000を本店が立替払いした。
<解答>
¥85,000
<解説>
それぞれを本店の立場で仕訳してみましょう。
①の仕訳 : 支店 30,000 / 備品 30,000
②の仕訳 : 現金 20,000 / 支店 20,000
③の仕訳 : 支店 15,000 / 現金 15,000
支店勘定残高は、
期首の借方残¥60,000+30,000+15,000-20,000 = ¥85,000
となります。
<問題3:固定資産の取得原価>
令和×3年4月1日(期首)に¥( ? )で機械装置Aを取得した。
これについて、定額法(耐用年数10年、残存価額ゼロ)で償却してきたが、令和×8年3月31日に¥300,000で売却し、¥50,000の売却益を計上した。
<解答>
¥500,000
<解説>
1年あたりの償却額 = (取得原価ー残存価額)÷耐用年数
= 取得原価÷10
売却時の減価償却累計額 = 1年あたりの償却額 × 5年
= 取得原価÷10×5
= 取得原価÷2
売却時の仕訳は、
減価償却累計額 取得原価÷2 / 機械装置 取得原価
現金など 300,000 / 固定資産売却益 50,000
式にして整理すると、
取得原価÷2 + 300,000 = 取得原価 + 50,000
取得原価 - 取得原価÷2 = 300,000 - 50,000
取得原価÷2 = 250,000
取得原価 = 500,000
<問題4:長期前払費用>
前期期首において、8年分の地代として¥1,600,000を前払いした。
当期末における長期前払費用は¥( ? )である。
<解答>
¥1,000,000
<解説>
8年分で¥1,600,000ということは、1年あたり¥200,000です。
前期首に8年分¥1,600,000を支払ったということは、その内訳は、
- 前期の支払地代 ¥200,000
- 当期の支払地代 ¥200,000
- 翌期の前払費用 ¥200,000
- 翌々期以降の長期前払費用 ¥1,000,000
となります。
『前払費用』で処理されるのは、翌期の分だけであること。
それ以降の分は、『長期前払費用』となることに注意です。
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