建設業経理士2級:本試験第2問対策その9
建設業経理士2級試験の第2問は、出題範囲こそ広いものの、過去問をしっかりやってれば、それほど目新しい問題はありません。
確実に点を取れるところなので、取りこぼしのないようにしましょう。
今日の問題は以下の4問。
<問題1:固定資産の総合償却>
以下の2つの機械装置を償却単位として定額法で総合償却する場合、減価償却費の計算に要する平均耐用年数を加重平均法で求めると( ? )年となる。
- 機械装置A : 取得原価¥600,000 耐用年数6年 残存価額ゼロ
- 機械装置B : 取得原価¥800,000 耐用年数8年 残存価額ゼロ
<解答>
7年
<解説>
機械装置Aの償却可能額 = 取得原価 - 残存価額
= ¥600,000
機械装置Bの償却可能額 = ¥800,000
償却単位の償却可能額 = ¥600,000 + ¥800,000
= ¥1,400,000
機械装置Aの年間減価償却費 = (取得原価-残存価額)÷耐用年数
= ¥600,000 ÷ 6年
= ¥100,000
機械装置Bの年間減価償却費 = ¥800,000 ÷ 8年
= ¥100,000
償却単位の年間減価償却費 = ¥100,000 + ¥100,000
= ¥200,000
平均耐用年数 = 償却単位の償却可能額 ÷ 償却単位の年間減価償却費
= ¥1,400,000 ÷ ¥200,000
= 7年
<問題2:受取利息>
期首において未収利息の残高は¥40,000であり、当期中に利息の収入が¥( ? )あった。
さらに当期末の損益計算書に記載された受取利息が¥200,000であれば、当期末の貸借対照表に記載される未収利息は¥50,000となる。
<解答>
¥190,000
<解説>
次のように考えると分かりやすいと思います。
問題文を以下のように分解して考えます。
まず、①より、期首の時点で¥40,000を受け取る権利があることが分かります。
そして、損益計算書は当期に発生した収益・費用を計上するものなので、③より、当期中に新たに¥200,000を受け取る権利が発生したことが分かります。
つまり、①と③より、合計¥240,000を受け取る権利があるということです。
これに対して、④より、まだ¥50,000を受け取っていないことが分かります。
従って、当期中に受け取った額は、
¥240,000 - ¥50,000 = ¥190,000
となります。
<問題3:貸倒引当金>
前期決算において、貸倒引当金¥50,000が設定されている。
当期において、前期に発生した完成工事未収入金¥20,000と、当期に発生した完成工事未収入金¥15,000が貸倒れとなった。
当期決算において、売上債権残高¥3,000,000に対して2%の貸倒れが見積もられる場合、差額補充法で処理すると貸倒引当金繰入額は¥( ? )となる。
<解答>
¥30,000
<解説>
貸倒引当金を取り崩せるのは、これを設定した時点で発生していた債権に対してのみです。
本問の場合、前期に発生していた¥20,000のみが対象となります。
従って、当期末における貸倒引当金残高は、
¥50,000 - ¥20,000 = ¥30,000
となります。
これに対して、当期末に設定される貸倒引当金の額は、
¥3,000,000 × 2% = ¥60,000
ですから、差額の¥30,000が繰入額となります。
<問題4:工事進行基準>
前期よりA工事を請け負い、現在工事中である。
この工事は、当初工事完成基準を適用していたが、当期より工事進行基準を適用することとした。
この工事の工期は3年、請負金額¥20,000,000、総工事原価見積額¥18,000,000、前期発生工事原価¥4,400,000、当期発生工事原価¥10,000,000である。
工事進捗度は原価比例法による場合、当期の完成工事高は¥( ? )となる。
<解答>
¥16,000,000
<解説>
工事進捗度 = (前期工事原価+当期工事原価)÷総見積額
= (¥4,400,000+¥10,000,000)÷¥18,000,000
= 0.8
完成工事高 = 請負金額 × 工事進捗度
= ¥20,000,000 × 0.8
= ¥16,000,000
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