建設業経理士2級:本試験第2問対策その10
今日の問題はこちらの4問。
<問題1:値引返品割戻・割引>
ある材料Aについて、期首残高は¥500,000であった。
当期中の仕入高¥4,000,000、仕入割引¥40,000、仕入値引¥100,000、仕入割戻¥80,000があり、当期末には実地棚卸高が¥300,000、盗難による棚卸減耗損が¥20,000であった。
この場合、材料Aの材料費は¥( ? )である。
<解答>
¥4,000,000
<解説>
いろいろありますが、落ち着いて順番に見ていきましょう。
まず、期首残高¥500,000、仕入高¥4,000,000より、この材料は¥4,500,000あることが分かります。
この材料勘定をマイナスする要素は、
仕入値引¥100,000、仕入割戻¥80,000、の2つです。
仕入割引¥40,000は材料勘定とは関係ないことに注意しましょう。
¥4,500,000 - (¥100,000+¥80,000) = ¥4,320,000
この¥4,320,000のうち、¥20,000は盗難にあったということなので、残り¥4,300,000。
¥4,300,000のうち、期末に残っていたのは¥300,000なので、結局、材料費(当期消費した材料)は¥4,000,000となります。
<問題2:工事進行基準>
請負金額¥10,000,000の工事を前期より着工し、工事進行基準を適用している。
前期の発生工事原価は¥1,000,000であり、工事原価総額の見積額は¥8,000,000であった。
当期より工事原価総額の見積額は¥8,750,000に変更された。
当期の発生工事原価が¥6,000,000であり、工事進捗度は原価比例法で算定される時、当期の完成工事高は¥( ? )である。
<解答>
¥6,750,000
<解説>
前期工事進捗度 = ¥1,000,000 ÷ ¥8,000,000
= 0.125
前期完成工事高 = ¥10,000,000 × 0.125
= ¥1,250,000
当期工事進捗度 = (¥1,000,000+¥6,000,000)÷¥8,750,000
= 0.8
当期完成工事高 = ¥10,000,000 × 0.8 - ¥1,250,000
= ¥6,750,000
<問題3:減価償却費>
前期首に機械装置A(取得原価¥500,000、残存価額ゼロ、耐用年数5年)を取得し、償却率0.25の定率法で減価償却を行っている。
当期の減価償却費は¥( ? )である。
<解答>
¥93,750
<解説>
前期末の減価償却費 = ¥500,000 × 0.25
= ¥125,000
当期末の減価償却費 = (¥500,000-¥125,000)×0.25
= ¥93,750
<問題4:本支店会計>
本店にあるA支店勘定は¥100,000の借方残、B支店勘定は¥120,000の借方残である。
B支店はA支店の完成工事未収入金¥50,000を現金で回収し、A支店はB支店の旅費交通費¥20,000を現金で立替払いした。
本店集中計算制度で仕訳した場合、本店にあるA支店勘定は¥( ? )となる。
<解答>
¥30,000
<解説>
①B支店はA支店の完成工事未収入金¥50,000を現金で回収した。
②A支店はB支店の旅費交通費¥20,000を現金で立替払いした。
この2つの仕訳を本店を経由する形に書き換えます。
①-1 B支店は本店の完成工事未収入金¥50,000を現金で回収した。
B支店の仕訳 : 現金 50,000 / 本店 50,000
本店の仕訳 : B支店 50,000 / 完成工事未収入金 50,000
①-2 本店はA支店の完成工事未収入金¥50,000を現金で回収した。
A支店の仕訳 : 本店 50,000 / 完成工事未収入金 50,000
本店の仕訳 : 現金 50,000 / A支店 50,000
本店の仕訳だけを見てまとめると、
B支店 50,000 / A支店 50,000 - 仕訳ア
②-1 A支店は本店の旅費交通費¥20,000を現金で立替払いした。
A支店の仕訳 : 本店 20,000 / 現金 20,000
本店の仕訳 : 旅費交通費 20,000 / A支店 20,000
②-2 本店はB支店の旅費交通費¥20,000を現金で立替払いした。
B支店の仕訳 : 旅費交通費 20,000 / 本店 20,000
本店の仕訳 : B支店 20,000 / 現金 20,000
本店の仕訳だけを見てまとめると、
B支店 20,000 / A支店 20,000 - 仕訳イ
仕訳ア、仕訳イより、
本店のA支店勘定残高 = 借方合計¥100,000 - 貸方合計¥70,000
= ¥30,000
となります。
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