試験に合格する勉強方法。
毎年10万人が不合格になってる資格
日商簿記3級の話です。
これって、毎年10万人以上の人が不合格になっている資格なんですね。
日商簿記の公式ホームページにて、3級の受験者データを見てみました。
このデータから直近10回分を見てみると、
- 平均実受験者数 82,758人
- 平均合格率 46.6%
となっています。
試験が行われるのは年に3回ですから、毎年、24万人以上の人が受験して、13万人以上の人が不合格になってるというわけです。
この数字、正直いって驚きました。
そして、驚くと同時に思い出したことがあるんです。
「作業」と「勉強」の違い
それはある高校生の話。
その学生は、試験前に必死で勉強したのに、いい点が取れなかったというのです。
そこで、どんな勉強をしていたの?と聞いてみたら、なんと、
「教科書に書いてあることを、そのままノートに書き写していた。」
と言うのです。
つまりこの学生は、
「教科書に書いていることを、自分の手でノートに書き写す。」
という作業を、勉強であると勘違いしていたわけです。
「作業」と「勉強」は違います。
「教科書に書いていることを、自分の手でノートに書き写す。」という作業は、教科書にかいてあることを「覚える」という点において有効ではあります。
決してこの作業が無駄だと言っているわけではありません。
しかし、「覚える」こともまた、「勉強」とは違うのです。
「作業」によって「覚える」ことは、「勉強」のための準備段階なのです。
この例の学生さんは、「作業」をすることによって、ある程度教科書の内容を「覚える」ことはできたでしょう。
しかしそこで終わってしまって、「勉強」の段階に進まなかった。
だから、試験でいい点が取れなかったんですね。
「勉強」とは「理解」すること。
本当の勉強とは、「理解」することです。
教科書の内容を覚える。それは単なる暗記という作業であって、勉強ではありません。
勉強とは、教科書に書いていることについて、なぜそうなのかと理解することです。
言い換えれば、
教科書の内容を、復唱することができるようになるのが、暗記。
教科書の内容を、自分の言葉で説明できるようになるのが、勉強です。
こういう意味での「勉強」には、もちろん「暗記」も欠かせません。
そして「暗記」をするためには、そのための「作業」が必要です。
教科書に書いてあることを覚えるということは、ある程度必要ではありますが、それよりもっと大事なことは、教科書に書いてあることを自分の言葉で説明できるかどうかです。
ここが分かっていないと、いくら「作業」していても試験の点は伸びません。
毎年10万人が合格している資格。
最初に述べたように、日商簿記3級は、毎年10万人以上の方が不合格になっています。
しかし、それと同時に、毎年10万人以上の方が「合格」している資格でもあります。
この差は一体なんなのかと考えてみたら、やはり「作業」をしているのか、「勉強」をしているのかの差だと思うんです。
仕訳の仕方を覚える。伝票の書き方を覚える。
これらは必要な「作業」です。
しかし、覚えただけで終わってしまっては、不合格組の仲間入りです。
合格組に入るためには、覚えたことを自分の言葉で説明できるよう、「勉強」することが必要なのです。
試験に合格する「勉強」方法
日商簿記3級は、決して難しい資格ではありません。
勉強の仕方さえ間違えなければ、必ず合格できると思います。
私自身が、全くの簿記素人から建設業経理士2級試験に合格できた、おすすめの勉強方法は次のとおり。
- まずはいきなり問題を見る。
- 当然、分からないので、すぐに答えと解説を見る。
- 問題と解説を見て、なぜこの答えになるのかと考える。
- 考えてみて、納得できてもできなくても、次の問題にとりかかる。
- ひととおり最後まで見たら、また最初から繰り返す。
これです。
このうち大事なのは 3 のところです。
「なぜ、この答えになるのか?」
これを考えることが大事なのです。
当たり前のようですが、これをちゃんと意識しているかどうかで、勉強の効率が変わります。
問題を見て、その答えを知った時に、常に「自分の言葉で説明できるか?」と考えてみることで、今自分がどれくらい理解しているかを知ることができます。
そして、今自分が何を調べ、何を学ばなければいけないのかが見えてきます。
やみくもに「勉強」するのではなく、どこに向かって走ればいいのかが分かるのです。
日商簿記3級に限った話でありません。
あらゆるジャンルの勉強に共通していることです。
そして、 4 のところも結構重要です。
納得できてもできなくても、あまり気にせず次に進む。
ある時点で理解できなかったことが、次々と進んでいくうちに、いつのまにか理解できていることがあります。
時には立ち止まってじっくりと考えることも大事ですが、そうするべき時と、気にせず進んだ方がいい時との判断は、「理解する」ことを意識した勉強をしていると、おのずと分かってきます。
問題を見る → 答えと解説を見る → なぜそうなるのかを考える → 次の問題を見る → 最後まで行ったらまた最初から繰り返す
「勉強方法が分からない」とか、
「勉強してるのに成果がでない」とかお悩みの方は、
「理解する」ことを意識して、このループを繰り返していると、驚くほどの効果を実感できると思います。
効果的な学習ツール
問題を見る → 答えと解説を見る → なぜそうなるのかを考える → 次の問題を見る → 最後まで行ったらまた最初から繰り返す
このループを、よりスムーズに行えるように開発したのが、「あいぱす!シリーズ」です。
シリーズといっても、2019年11月現在、建設業経理士2級編しかありませんが、日商簿記3級編を今年中に公開できるよう制作中です。
興味を持たれた方は、是非一度、手に取ってみてください。
間違いなく、目指す「合格」を引き寄せる力になると思います。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。