あいぱす!

あいぱす!

学習支援ソフト「あいぱす!」の紹介と、その他もろもろのブログです。

これで完璧!仕訳のいろは。「借方」「貸方」編。

f:id:ipassdegoukaku:20191107135750j:plain

 

簿記を学ぶうえで、最も重要なことの1つが、「仕訳」をマスターすることです。

 

その重要性たるや、
「仕訳を制する者は、簿記を制する。」
なんて言われるくらいです。

 

そんな「仕訳」を学ぶときに、まず覚える必要があるのが、「借方」「貸方」という言葉です。

 

この言葉、どっちがどっちだったかと、なかなか覚えにくいところがあるので、ちょっと詳しく解説してみようと思います。

 

そもそも、「仕訳」とは?

「仕訳」とは、いわゆる「簿記上の取引」を、正確に記録するためのルールです。

その特徴は、「1つの取引を左右2つに分解して記録する。」というところにあります。

 

例えば、「現金100円を借りた。」という取引なら、

   ① お金を借りたので、現金が100円増えた。
   ② お金を借りたので、借金が100円増えた。

と分解し、

 

①は『現金』という資産が増えたので、左側に書き、
②は『借入金』という負債が増えたので、右側に書く。

 

したがって、この取引の仕訳は、

 

   現金 100 / 借入金 100

 

となるわけです。

 

この左右について、左側を「借方」、右側を「貸方」と呼ぶわけですね。

 

ん?「貸方」に『借入金』??

そうなんです。
ここらへんがちょっと、とっつきにくいところなんですよね。

 

なんで、左側を「借方」と呼ぶのか?
なんで、右側を「貸方」と呼ぶのか?

 

なんで、「貸」と呼んでる方に、『借』をつく言葉が入っているのか?

 

『借入金』なら、「借方」じゃないの??

 

これらの謎を解くカギは、なんとイタリアにありました。

 

複式簿記発祥の地、イタリア。

簿記には、「単式簿記」と「複式簿記」があります。

 

単式簿記」は、1つの取引について、1つの記録をします。

前述の「現金100円を借りた。」という取引なら、

   お金を100円借りた。

と記録する。

これが「単式簿記」です。

 

単式簿記」というより、ただのメモみたいなものですね。

 

このように「取引を記録する」という行為自体は紀元前からあったようですが、当然、こうした記録方法には共通したルールなどなく、世の中の経済が発達してくるにつれ、なにかと不便が生じてきます。

 

そこで14世紀~15世紀くらいのイタリアにて誕生したのが、「取引を仕訳によって記録する」という「複式簿記」なのです。

 

なぜ「貸方」に『借入金』なのか?

さて、この謎です。

結論から言えば、イタリア語と日本語の違いと言えそうです。

 

複式簿記が誕生した中世イタリアでは、

  • 自分からお金を借りている人を、左側に書く。
  • 自分にお金を貸してくれている人を、右側に書く。

というルールがありました。

ここから、左側を「借方」、右側を「貸方」と呼ぶようになったのです。

 

しかし日本語で考えてみると、

  「自分からお金を借りている人」は、「自分がお金を貸した人」。
  「自分にお金を貸してくれている人」は、「自分がお金を借りた人」。

と言った方が自然ですよね。

 

ここから、
   「自分がお金を貸した人」→『貸付金』
   「自分がお金を借りた人」→『借入金』
という勘定科目が生まれたのです。

 

これにより、
   『貸付金』(貸したお金)は、「借方」(左側)に書く。
   『借入金』(借りたお金)は、「貸方」(右側)に書く。
ということになっちゃったんですね。

 

もっと分かりやすい覚え方

とはいえ、これらの話は単なる雑学に過ぎません。

 

「借方」「貸方」、どっちがどっちか、もっと分かりやすい覚え方はないでしょうか?

 

はい。こういうふうに覚えましょう。

 

「借方」は、「かりかた」と読みます。
「貸方」は、「かしかた」と読みます。

仕訳をしたとき、左側が「かりかた」、右側が「かしかた」です。

 

読み方の2文字目に注目です。

「かりかた」の「り」は、左に流れてますので、「借方」は左側。
「かしかた」の「し」は、右に流れてますので、「貸方」は右側。

これでもう、どっちがどっちか、迷うことはありませんね!

f:id:ipassdegoukaku:20191109094545p:plain

 


最後までご覧いただき、ありがとうございました。