建設業経理士2級:よくある仕訳問題その5
突然ですが、語呂合わせで、今日は「いい風呂」の日だそうです。
各月ごとに「季節湯」なるものがあるそうで、11月は「みかん湯」だとか。
ということで、今日の仕訳は以下の5題。
<問題1:固定資産の除却損>
取得原価¥1,000,000の機械装置を保有し、定額法(残存価額¥100,000、耐用年数10年)で償却している。
取得より7年目にあたる当期首に除却することとなり、その見積額は¥120,000と見積もられ、『貯蔵品』勘定で処理した。
<解答>
減価償却累計額 540,000 / 機械装置 1,000,000
貯蔵品 120,000 /
機械装置除却損 340,000 /
<解説>
1年あたりの償却額 = (取得原価ー残存価額)÷耐用年数
= (1,000,000-100,000)÷10
= 90,000
除却時の減価償却累計額 = 90,000 × 6年
= 540,000
除却時の機械装置の価値 = 1,000,000 - 540,000
= 460,000
機械装置を除却したことにより、¥460,000の機械装置が、¥120,000の貯蔵品となったわけですから、差額の¥340,000が除却損となります。
<問題2:のれん>
A社を¥4,000,000で買収し、これに伴う代金を小切手を振り出して支払った。
買収時のA社の財政状態は以下のとおりである。
買収時の仕訳を示しなさい。
- 材料 ¥500,000
- 土地 ¥4,500,000
- 工事未払金 ¥2,000,000
<解答>
材料 500,000 / 工事未払金 2,000,000
土地 4,500,000 / 当座預金 4,000,000
のれん 1,000,000 /
<解説>
まず、A社の資産・負債をそのまま引き継ぎます。
材料 500,000 / 工事未払金 2,000,000
土地 4,500,000 /
¥4,000,000を小切手で支払ったので、
材料 500,000 / 工事未払金 2,000,000
土地 4,500,000 / 当座預金 4,000,000
買収時のA社の価値は、
(材料+土地)-工事未払金 = 3,000,000
¥3,000,000のA社を、¥4,000,000で買ったわけですから、差額の¥1,000,000が『のれん』となります。
<問題3:社債>
12月1日に額面¥2,500,000の社債を¥100につき¥97で買い入れ、端数利息とともに小切手を振り出して支払った。
この社債は償還期間5年、利率年2%、利払日は3月31日と9月30日の年2回である。
端数利息は日割計算するものとし、社債買い入れ時の仕訳を示しなさい。
なお、計算過程で端数が生じた場合は、小数点以下を切り捨てるものとする。
<解答>
投資有価証券 2,425,000 / 当座預金 2,433,493
有価証券利息 8,493 /
<解説>
端数利息 = 年利のうち、10月1日から12月1日までの62日分
= 2,500,000 × 2% × (62/365)
= 8,493
<問題4:工事進行基準>
前期に請負金額¥2,500,000で工期3年の工事を受注し、工事進行基準を適用している。
工事原価総額の見積額は¥2,000,000、前期発生工事原価は¥500,000、当期発生工事原価は¥1,000,000であった。
当期の工事収益及び工事原価に関する仕訳を示しなさい。
<解答>
完成工事未収入金 1,250,000 / 完成工事高 1,250,000
完成工事原価 1,000,000 / 未成工事支出金 1,000,000
<解説>
前期工事進捗率 = 500,000 ÷ 2,000,000
= 0.25
前期完成工事高 = 2,500,000 × 0.25
= 625,000
当期工事進捗率 = (500,000+1,000,000)÷2,000,000
= 0.75
当期完成工事高 = 2,500,000 × 0.75 - 625,000
= 1,250,000
<問題5:値引返品割戻・割引>
工事未払金¥10,000について、決済日より早く小切手を振り出して支払い、0.3%の割引を受けた。
<解答>
工事未払金 10,000 / 当座預金 9,970
/ 仕入割引 30
<解説>
値引、返品、割戻は、逆仕訳。
割引は『仕入割引』勘定で処理します。
本問は割引なので、『仕入割引』勘定を使います。
割引額 = 支払額の0.3%
= 10,000 × 0.3%
= 30
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